膠芽腫について
膠芽腫(グリオブラストーマ / GBM)について
膠芽腫はグリオブラストーマとも呼ばれ、脳内に発生する悪性脳腫瘍です。膠芽腫と診断されて初めてその病名を耳にしたという人も多いのではないでしょうか。そのため膠芽腫はまれな病気だと思われるかもしれませんが、膠芽腫と闘っているのはあなた一人ではありません。
膠芽腫と闘っているのはあなただけではありません。
膠芽腫は脳のどこに発生する?
ほとんどの場合、大脳に発生します。大脳には読み書き、思考、発語、手足の運動、感情をコントロールする中枢があるため、膠芽腫が発生すると次項に記すような種々の症状が表れます。
膠芽腫はどのような症状が表れる?
膠芽腫は肺などの脳以外の部位に転移することはほとんどありませんが、腫瘍が脳内で急激に増大します。そのため、ある日突然発症したように感じるかもしれません。
腫瘍の増大に伴い脳が圧迫されるようになるため、以下の症状が表れることがあります。
- 頭痛(毎日続き、かつ少しずつ強くなる)
- 吐き気および嘔吐
- 眠気
腫瘍の発生部位によっては、前項で記したように身体の他の部位をコントロールする脳の機能が妨げられ、以下の症状が出ることがあります。
- てんかん発作
- 右(あるいは左)半身の運動麻痺
- 性格変化や記憶障害
膠芽腫の治療が難しい理由
膠芽腫は治療が難しい病気、と聞いたことがあるのではないでしょうか。膠芽腫は腫瘍の周りの正常な脳の中に根を伸ばす(MRIでの腫瘍陰影より少なくとも2cmの所まで)発育をしています。その部分まで切除すると正常脳が犠牲となり、重い後遺症が残るため、全ての腫瘍を切り取ることはできません。また、増大速度が速いため手術後に残った腫瘍は短期間で大きくなります。そのため、膠芽腫の治療は手術から回復次第、抗腫瘍薬を併用した放射線治療を行い、その後も抗腫瘍薬治療を継続することが標準的です。これらの標準治療にはいくつかの方法がありますので、主治医の説明をよく聞き、場合によってはセカンドオピニオンを利用して適切な治療を選択してください。
初めて膠芽腫と診断された場合は、初発膠芽腫のページをご覧ください。
これまで膠芽腫の治療を受けたことがありその後再発した場合は、再発膠芽腫のページをご覧ください。
監修:埼玉医科大学 名誉教授 松谷 雅生先生